事故物件の「供養」と「お祓い」は違う?

自殺や他殺などが発生した住宅は「事故物件」として扱われ、供養またはお祓いが執り行われます。事故物件の供養とお祓いは一緒の儀式だと思われがちですが、実はそれぞれには違った役割があるのをご存じでしたか?
今回は事故物件の「供養」と「お祓い」の違いについて解説していきます。
事故物件の供養とは
事故物件における供養では、亡くなった方に対してご冥福を祈り、死後の平安を願うという意味が込められています。お葬式での読経や故人の命日に行われる法要と同じ目的・役割を持っているということです。
事故物件の供養は、住人が亡くなられた部屋で執り行われることが一般的ですが、特殊清掃が必要な場合や物が散乱して足の踏み場がないような状態ですと、玄関先や室外で執り行われます。
神道では「供養」ではなく、「魂鎮(たましずめ)」
供養とはもともと仏教の言葉であり、神道では「魂鎮(たましずめ)」と呼ばれます。慰霊という意味では供養と同じですが、役割に少し違いがあります。
神道における魂鎮では、この世に留まり続ける魂を落ち着かせ、鎮めることで災いをなさないようにするという目的があります。
一方、仏教における供養では、故人が仏様のいる浄土の世界へ転生できるように願うという意味があります。
仏教の場合、基本的にはどの宗派も対応可能
事故物件の供養は亡くなった方に対する追悼が目的であるため、密教系の宗派でしか対応できないお祓いとは違い、全ての宗派が対応できます。とはいえ、現場によっては凄惨な状態であることや、その状況下で供養を執り行える精神力・忍耐力が必要になることから、依頼を断る寺院もあります。
事故物件のお祓いとは
事故物件におけるお祓いでは、家内に漂う不穏な気や不浄なものを祓い、清める役割があります。いわゆる心霊現象や怪奇現象などに対して行われる儀式です。
事故物件のお祓いでは、家内において気になる空間や箇所に向けて儀式を執り行います。状況によっては、複数の部屋や家全体、土地そのものに対してお祓いする場合もあります。
仏教でお祓いに対応している宗派は3つ
寺院に事故物件のお祓いを依頼する場合、対応できる宗派は「天台宗」「真言宗」「日蓮宗」の3宗派になります。これらの宗派は、特別な修行を行っており、お祓いや除霊といった分野に対応できます。
詳しくはお坊さんにお祓いや除霊をお願いできるって本当?にて、解説しております。
事故物件の供養・お祓いにかかる費用
事故物件の供養・お祓いにかかる費用は、およそ30,000円~100,000円ほどと言われています。数字に開きがあるのは、死因によって料金が変わるためです。自殺や他殺、無理心中などは、無念の思いが強いと考えられるため、自然死や病死に比べると料金が高くなります。
- 病死:30,000円前後
- 自殺:50,000円前後
- 他殺:70,000円前後
- 無理心中:100,000円前後
また、供養・お祓いの対象となる部屋が複数ある場合や建物・土地全体に及ぶ場合も料金体系が異なります。
まとめ
今回は事故物件の供養とお祓いの違いについて解説しました。事故物件の供養には、故人に対して追悼の意を表し、ご冥福を祈る役割があり、事故物件のお祓いでは、室内や建物全体、土地に纏わりついている不浄なもの・穢れを祓い、清める役割があります。
それぞれの特徴や違いを知っておくことで、事故物件に対して必要な対応が的確に行えます。
もし事故物件の供養やお祓いでお困りの場合は、涙そうそうにご相談ください。事故物件の供養・お祓いに対応できるお坊さんをご紹介し、現地で儀式を執り行わせていただきます。
費用は死因に関わらず、33,000円で承っております。供養・お祓いの対象が複数の場合は、+11,000円で追加読経が可能です。